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NEWS

2019.03.06

コラム

アスリートJob Professional’s insight vol.5  『キャリア形成の考え方とコツ』

『キャリア形成の考え方とコツ』

 

これは、ある大企業の入社試験の質問として有名な言葉、「アリ→トンボ→人間」の話をご存知だろうか。この言葉を聞いただけで、わかる人はわかるかもしれない。「アリ」は入社してから仕事のイロハ、仕事の右も左もわからず、とにかく地を這って目の前の仕事をする時期、「トンボ」はようやく仕事の深さがわかるようになっていき、少し上の目線から複眼的な視点で仕事が見え始める時期、そして「人間」は、トンボよりもっと上の目線から会社や仕事を達観してみることができ、利他の精神で仕事をする時期、を譬えている。それぞれの期間は「10年」とも言われるが、今は良かれ悪しかれ期間は短くなってきている風潮ではないだろうか。

さて、この中で一番大事な時期はどこか、そう「アリ」の時期。これはスポーツ選手とまったく同じである。この基礎づくりの時期が以後のキャリア形成や人生においてとても大きな影響を及ぼしている。これに気づかず、イキナリ「トンボ」にきたりすると、それこそ右往左往してしまい、最悪なのは、「勘違い」してしまうことである。こうなると「アリ」にも戻れず、仕事やキャリアの積み方に「成長の伸びしろ・余白」が無くなり、キャリア形成が苦しくなってくる。

これらは総じて、効率的に仕事をする、ということを言っているのではなく、「キャリア形成」の仕方について譬えているである。

実は同じようなことを、私自身も、ある会社の社長として社員から学んだことがある。その会社は結婚式をプロデュースする会社だが、幹部社員は本当に優秀な方ばかりで、この会社の社員研修では、「MUST・CAN・WILL」ということをうたって研修していた。つまり、「MUST=しなければならないこと」の時期、「CAN=できるようになる」時期、「WILL=やりたい!と主張する」時期、である。前述の「アリ→トンボ→人間」と通ずるところがある。

エージェントとして、アスリート人材に限らず、多くの方と面談をさせて頂く機会があるが、先述の譬え時期や考え方とは違う視点として、イキナリ「WANT」がでてきてしまい、キャリアの積み方に苦慮している方がとても多いように感じる。「WANT」がダメなわけではないが、「CAN」もないままに、社会のことがほとんどわからないあるいは情報量が極端に少ないままに、ましてや「トンボ」にもならないままに、イキナリ「WANT」ばかりに目が行き過ぎると、それが達成されない、あるいは実際には「違った」感が少しでもあるとすぐ離職になる傾向が強いと感じる。キャリア形成として一番大事な時期である「アリ」や「MUST」の時期は、実は仕事のスキルだけではなく、以後最も大きな影響を及ぼす「人間力」の育成の時期でもある。それが、非常に蔑ろにされていることは一番懸念される。

先日、弊社のお取引先の社長と弊社のアスリート人材の求職者の面接に同席し、最近では珍しいぐらい自分のお腹に落ちた言葉がある。それは「仕事で大事なことは、「会社の為に頑張る!」とかではなく、まずはちゃんと給料をもらうこと。自分の好きなこと、守ることの為にしっかり給料をもらうこと。これが大事。結果的に、それは会社の為になるのだから。」という内容。妙にお腹に落ちている自分がいる。アスリート人材は、特にセカンドキャリアについては不安を抱えている人が少なくない。しかし、この社長の言葉を拝借すれば、何か次のキャリアにチャレンジし易い、一歩を踏み出しやすい、何かのヒントがあるように感じる。社長の話は本当に素晴らしい内容が多く、自分が社員でも「入社したい」と思う会社である。

私自身、エージェントとして、ひとりの経営者として、キャリア形成の相談で来られる方へのヒントとして、「会社探しや職探しばかりするとキリが無いし、次から次への欲求が高くなってしまい、結果、八方塞がりになる。そういうとき、人探しをしてはどうか。」とお話することがある。なかなか巡り合うことはないが、「この人と仕事がしたい」あるいは「人事部の方が素敵だった」等という仕事(キャリア)の選択だ。そうすれば、仕事も職も関係なく、人と繋がっているので「離職」という考えではなく、異なる考えと繋がりでキャリアを形成することができる。

アスリート人材のキャリア形成は人生の一大事である。エージェントの我々がその課題に真摯に向き合えるプロであり続けるべきであると、強く思う。

アスリートJob
キャリアコンサルタント
中田雅朗