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インタビュー

2018.11.22

インタビュー vol.6 至学館大学 十枝内 厚次 教授

至学館大学 十枝内 厚次 教授 アスリートjob インタビュー vol.6
至学館大学健康科学部
健康スポーツ科学科
十枝内 厚次 教授/PhDTOSHINAI KOJI

アスリートの科学的思考と実践は、
ビジネスでも活きる

アスリートJob’s EYE!

「自分は学生時代は部活ばかりやっていたから、体力だけは自信があります!!」そう自己紹介をする体育会系の人材に一度は出会ったことがきっとあるはず。世間の思う「体育会系人材」・・・そのイメージは本当に合っているだろうか。単純に一括りにしていないだろうか。今回インタビューした至学館大学の十枝内教授(以下、教授)は、「スポーツは科学。その科学的な思考こそ、今の企業に求められている」と断言する。今回のインタビューは、大学教授ならではの学術的な話から、体育系人材の強みまで、具体的に話をしてくださいました。

また、記事についても、なるべく教授の言葉をそのまま大切にお伝えするために、弊社社長の中田 雅朗と対談形式にしてそのままストレートに書いています。大学でスポーツを学んでいる学生や体育会系人材を求める企業様は、気軽に一度読んでいただきたい。

~企業は「体育会系学生」を本当に求めているのか~

中田:
大変ご無沙汰しております。本日はよろしくお願いします!
早速ですが、以前教授が「体育会系人材を企業は本当に求めているのか」とおっしゃっていましたが、そう考える理由はなんでしょうか?
教授:
体育会系と聞くと上下関係がしっかりしていて、少しきつい仕事でも与えられた仕事をきっちりこなし、礼儀正しくて根性があって…というイメージが出てくると思います。そういうイメージの体育会系人材が企業でいざ働くとなると「与えられた仕事をやるだけの人材」になりますよね。いわば「受け身」で仕事をするということです。そういう人たちばかりですと、統率はとれているけどイノベーションは起きないという現象が起きませんか?そう考えると本当に企業は体育会系人材を欲しがっているのかと疑問に思います。
中田:
でも実際のところ、体育会系人材は今でも企業は欲しがっていると感じますね。
イノベーション系は…求めてないですね。
教授:
ということはわざわざ大学を出なくてもいいということになりませんか?
企業が求める体育会系人材でしたら、むしろ高卒の方が若く体力もありますよね。極論体育会系人材は学ぶメリットがない、必要がないということになります。
中田:
そうですね、そういうことになってしまいますね。
教授:
本当に企業はそういった人材を求めているのでしょうか。
単純に「体育会系」といっても2種類あると考えていて、体育学部のようにスポーツを学問として学んでいる学生「体育系学生」と部活としてスポーツをしている学生「体育会系学生」です。スポーツを学問として学んでいる体育系学生は、身体の仕組みを学びながら、その知識を競技に活かしている。
中田:
なるほど。競技をしているのみの学生とは違いますね。
教授:
どのように動いたら体がどうなるか、どのような仕組みで体が変わっていくのかを認識した上で練習をしている学生と、スポーツだけをしている学生とは考え方や行動が違っているのではないでしょうか。
中田:
ではスポーツを学びながら実践してきた、いわゆるPDCAを繰り返し行い訓練されてきた学生は、そこで培った能力を企業で活かしきれていないのではないか、とお思いでしょうか。
教授:
活かしきれていないというよりも、今の体育会系を求めている企業は、そのような人材ではなく、元気で与えられた仕事をひたすらこなす人材なのではないのでしょうか。
中田社長、企業は体育会系人材にも多様性があることを前提に採用しているのでしょうか?
中田:
体育会系人材について、そこまで考えている経営者は少ないと思います。体育系学部を卒業した学生は、結果を出すためのプロセスを知っている強みがありますが、これを意識して採用している企業は少ないと思います。
教授:
PDCAを繰り返し行って訓練してきた体育系学部を卒業した学生の能力は、企業にとって発展するための力になる存在ですよね。そういう人材が本来企業にとって必要なのではないでしょうか。ただ、今の成功している企業は既にPDCAは回していないでしょうけどね。
中田:
今はイノベーションが起こせるかどうかですよね。
教授:
そうですね。イノベーションを起こしている企業はPDCAの「D(Do)」からスタートしていますね。最終的に「P(Plan)」がくる。ただ学生のときは無理でしょうから「P(Plan)」から入るべきだと思う。学生時代にPDCAを繰り返し行っているとリスクの少ない「D(Do)」がだんだん身についてきます。そうすると何を「D(Do)」したら「P(Plan)」が出来るか、という考え方ができるようになり、リスクとベネフィットを考えた上でイノベーションを起こせる人材になるのではないでしょうか。
中田:
体育系大学のカリキュラムはPDCAを意識したものになっていますか?
教授:
今はまだ学部全体で十分に意識したカリキュラムになっているとは言えませんが、演習の授業や競技の練習はそうなっていると思います。普段の練習は座学で学んだことを実際に行い、結果を分析、判断をして改善し続けています。ゴールは個人ごと、チームごとに決まっているので、PDCAの「DCA」が回りながら「P(Plan)」が動いている、という状況です。「P(Plan)」に必要な知識は、授業で学んでいます。練習で起こった現象から「P(Plan)」を立てる為に必要な知識を活かしている、ということです。
中田:
競技だけをしている学生とは違って、体育系学生はPDCAを回しながら、毎日練習している行動そのものが糧になっていますね。

~体育系学生の強みを「見える化」する~

教授:
体育系学生以外の競技だけをしている学生は、それぞれ所属学科の専門分野について学ぶわけだけれども、授業を受けるだけで、実際に「D(Do)」をする機会はないのではないでしょうか。また、あくまでも競技とは切り離されていますよね。でも体育系学生は、学んでいる内容がそのまま競技に活かせるので「D(Do)」を実践しながらPDCAを回すことが出来ます。
中田:
「D(Do)」をたくさん行っているということですね。ということは見直す力がかなりつきますね。これは体育系学生の特徴であり、強みであると思うのですが、この強みを一言でいうと何でしょうか。
教授:
「実践力」じゃないでしょうか。実践力そのものが学びであると考えています。
中田:
逆に体育系学生以外の学生はアウトプットする場がないということですね。
教授:
考えられるとしたら、企業のインターンシップであればアウトプットはできそうですが、PDCAを回すことはできない。なぜなら企業側にもそこまでの時間、余力もないし、利益に直結する決定をインターン学生に委ねることはないと思います。逆に体育系学生は、毎日PDCAを回してゴールを目指しています。実践力がつく環境が整っていますよね。
中田:
その通りですね。実践力がつくはずですね。
教授:
その実践力を認定する資格があります。全国体育スポーツ系大学協議会(Association of Japanese Physical Education and Sport University, JPSU)という団体があって、そこは体育スポーツ系の学部・学科・コースが設置されている大学47校が加盟しているのですが、そこで「JPSUスポーツトレーナー」という資格を作り認定者を輩出しています。現在体育系の大学を出た学生は、保健体育教諭免許や健康運動指導士、日本スポーツ協会等の関連資格を取得しない限り、大抵無資格で卒業していきます。それですと、4年間かけて実践してきたものが形として証明できないですよね。そのような背景があり、体育スポーツ系大学で培った実践力を担保する目的で資格を作りました。
中田:
それはおもしろいですね!
教授:
その資格を持っていると、子供たち、選手、一般の方や障害者を指導する立場になった時に、安全に配慮して指導できますよ、という証明ができるわけです。直接的な関わりではありませんが、この資格を作った団体のバックグランドは経済産業省です。要はそういった実践力のある指導者に対して商業的な価値を高める、資格保持者にとって利益になるような体制を進めるために、文部科学省ではなく経済産業省が関わっている、という理由が背景にあります。
中田:
イメージ的には公認スポーツ栄養士に近いでしょうか。
教授:
それは日本スポーツ協会の資格ですね。受験資格として管理栄養士資格と実務経験が必要ですよね。一方で、この「JPSU-スポーツトレーナー」という資格は、体育系大学を卒業するまでに、認定に必要な科目の単位を取り、修了講習を受講後試験に合格すれば取得できます。というのも、何が必要かと言ったら「実践力」だろうと。その実践力を証明し、その資格保有者がその資格をバックボーンに職を得て社会で活躍できるようにという思いがあり、「JPSU-スポーツトレーナー」という資格を作ったわけです。
中田:
おもしろい!我々の事業の柱である、企業で活躍できるアスリートを育てる事業のヒントになりますね。
教授:
現在、この資格を与えることができるのは、全国体育スポーツ系大学協議会加盟校の内の18の認定校に限ります。認定されるには様々な審査があり、我々至学館大学も認定校の1つです。
中田:
審査を経た認定校で有資格者を輩出する、信頼と価値が高まりますね。
実践力を保証しているとのことですが、スポーツ経営においての実践力を保証するものはないですよね。
教授:
体育スポーツ系の資格でそういったものは少ないですね。学会ではなく企業が作っているものはあるみたいですけどね。そもそも日本のプロチームは、企業や広告代理店から経営者が入り込んでいますよね。体育スポーツ系で学んだスポーツ経営のプロが実際に経営していることが少ないというのが現状ですよね。
中田:
そういう現状を踏まえると、スポーツをしてきた人材が、スポーツ経営を学び、将来的に関われるような体制を作っていくのもおもしろいと思います。

~スポーツの科学的思考とは~

中田:
前回お話させていただいた際に、スポーツの科学的思考という観点を筋トレに例えられていましたよね。
教授:
例えば、足を持ち上げる動作をするときには2種類の筋肉を使っています。太ももを、持ち上げる場合、腸腰筋の収縮で行えますが、関節角度によっては大腿四頭筋を収縮しても達成できます。こういった動作によって、動く筋肉の部位を意識しつつ、目的を持ってトレーニングを行う場合とそうではない場合は、結果に歴然とした差が出ます。同じ動作を10回行う場合、疲れない為に使う筋肉の使い方を変えながら行うと、目的に対する効果が得られないというわけです。
中田:
先ほど教授がおっしゃっていたPDCAに近いですね。こうトレーニングしたら効果がなかった、筋肉の使い方が間違っていたかもしれないから別の方法で試してみよう、とPDCAを回しながらトレーニングをしていますね。
教授:
そうですね。正しい方法で行ったからこそ、効果を検証することに意味が生まれるはずです。
中田:
そういったトレーニングは授業で行っているのでしょうか。
教授:
基本的にはトレーニング科学の原則として教えています。
中田:
とはいえ体育系学生は、あまりそういったことは考えない気はしますね。
教授:
そこまでの考える力をつけるのは確かに大変です。学びをそのまま実践に活かせる、それができるのは全ての学生という訳ではないのは確かです。ただし意識は芽生えているので、それは指導者が上手く引き出さないといけないですね。このトレーニングは何を理解し行うべきか、結果がどうなれば良いのか、つまり評価項目を正しく設定することが大事です。
中田:
そういった体育系学生は、根性論は別として、ビジネスにおいては将来性がある、企業が欲しいと思える人材になり得るでしょうか。
教授:
今言ったように、全ての学生がこの考え方を理解して、企業が求める人材になれるかというと難しいと思いますが、スポーツを通して得た物事の考え方をビジネスに応用できる、本質を捉えることができる学生は活躍できるのではないでしょうか。少なくともJPSU-スポーツトレーナー資格を得た学生は、それができる人材として卒業していけるようにしたいと思っています。
中田:
なるほど!深いですね。まさに体育系人材はビジネスリーダーに適していて、体育系人材にとっての大学4年間はビジネスリーダーに向けて適した教育を受けており、非常に意義のある時間を過ごしているということですね。
教授:
「体育会系学生」ではなく「体育系学生」においてはそうですね。「体育会系」とはいわゆる社会的に使っている言葉で、体育を学んでいないけれどもスポーツをしている学生も含まれますよね。
中田:
体育系ではない学生もそれに近いことを学んでいるのでしょうか?
教授:
指導者を目指しているような学生は学んでいるかもしれないですが、その他の学生はどうでしょうか。授業ではトレーニング科学は学ばないと思うので難しいとは思います。
中田:
教授のおっしゃるトレーニング科学というのは…
教授:
授業のカリキュラムの一環です。そもそもトレーニング科学を学ばない体育系学部はないです。
中田:
そのカリキュラムはイメージとして、ゴールが設定されていてPDCAを回すというような学問ですか?
教授:
どちらかというとDCAを回すのはクラブで実践していて、そこから得られた結果を「P(Plan)」に活かしています。その「P(Plan)」を立てるには知識が必要ですよね。その知識はトレーニング科学やその他の体育系学部の授業で学んでいるわけです。「D(Do)」をすることは体育系学生にとっては日常で、「C(Check)」の方法は授業で学びます。また、「A (Action)」の基礎も授業で学び、クラブの中で実践するという流れです。得られた結果を「P(Plan)」に持っていくことは、とても複雑な知識が必要です。トレーニング科学や運動生理学、解剖生理学など、そういった知識を総合させて初めて「P(Plan)」を作ることができます。DCAを回している体育会系学生もいるとは思いますが、ゴールに向けて「P(Plan)」を作るには知識が必要であり、授業で学んでいる体育系学生にとって大きなアドバンテージになっていると思います。
中田:
おっしゃる通りですね。
教授:
実践した結果をどうやって「P(Plan)」に持っていくかを、指導者のみ認知している場合、選手はその指導者に従って一生懸命実践し、そのまま卒業した場合は、企業側はいわゆる「体育会系人材」として企業に輩出されますよね。それが体育会系のイメージとして捉えられることになりますね。
中田:
分かり易く言うと、ただ走っているのか、理解しながら走っているのかの違いですね。
教授:
自分で考えるのではなく、与えられたメニューをこなして強くなる選手、それも正しいと思います。でも日本の指導者の資格は、学歴に関係なく競技力が高かった場合取得できるので、体育スポーツについて深い知識がなくても指導者になれるということです。 だからこそ成功した選手は、きちんと学び、体育スポーツ系の知識を持った上で指導するという自覚を持ってほしいと思います。
中田:
成功した選手というのは具体的にいうと、どういった選手でしょうか?
教授:
実際にスポーツの世界で一流になった選手です。失敗した選手の中には、勝負で負けた選手は勿論ですが、正しい知識を教わらずに去っていった、つまり適切な指導が受けられなかった為に失敗した選手もいるはずです。
中田:
スポーツの科学的な考え方、取り組み方を教える指導者がいれば活躍できたかもしれないですね。
教授:
中にはいると思います。プロ選手は、ただ強くなりたい、トップになりたいのであれば知識を持ったスタッフを雇えばいいので、自身が必ずしもそういった考え方ができなくてもいいとは思います。ある有名な選手は、栄養士など多数のスタッフを雇っていますよね。ですが、将来指導者の道を志すのであれば、絶対に科学的思考と知識は必要になってくると思います。

~体育系人材はビジネスにおいて活躍できるか~

中田:
体育会系人材ではなく体育系人材というのは、振り返ってみると、ビジネスパーソンとして成功する素養を持っていますよね。
教授:
おっしゃる通り、持っていると思います。学校で学んだ知識は、そのまま企業で活用できるものではないので、また一から学び直しだと思います。ただ、得られた知識をどのように活用して新しいプロジェクトを起こせるか、利益になるようなものを生み出せるか、その実践方法を、大学に在籍している間に学べるのは体育系人材の強みです。それが学生時代に成功に結びついたかどうかは別として、学ぶチャンスはいくらでも転がっていると言えます。
中田:
具体的には何を学ぶ機会があるでしょうか。
教授:
企業でも役に立つようなモノの考え方です。企業にもそれぞれゴールがあり、それに向かってPDCAを回していきます。
「P(Plan)」は全部繋がっていると考えており、「DCA」がスパイラルに動きながらゴールに向かっていくイメージです。
詳しく言うと、「DCA」が進むに従って「P(Plan)」もそれに伴い変わって行きます。その「P(Plan)」が動くと「DCA」も少しずつ動いてきて、ゴールに繋がる仕組みです。体育系人材に関わる指導者は、学生に対して自分でPDCAが回せるよう促していかなくてはならないと思います。「P(Plan)」を立てるための知識をサポートしながら、学生自身が考えることができるように指導すべきですよね。
中田:
それは名コーチですよね!
教授:
とはいえ、ある意味ではたどりつけない学生が出てきてしまいますよね。学生自身が一生懸命考えて実践したけれども、大学4年間ではゴールまでたどり着けなかった、という現象も起こりうると思います。逆に、指導者に従い実践した方法がゴールに繋がる場合もあるので、そこは中々難しいところではありますが。つまり選手ではなく、指導者がPDCAを上手にコントロールして、学生をゴールに到達させる。これでは学生の実践力はついていきません。
中田:
教授のおっしゃるPDCAの実践力というのは、世間が認識している体育会系の根性論とは真逆のイメージですよね。
教授:
ゴールに向かって実践し続けるという根性は勿論必要だけれども、中にはやらなくていいもの、不要なものもありますよね。知識があるということは、実践する内容について選択できるようになるということです。世の中では体育会系は、理不尽な要求にも耐えて頑張るというイメージだけれども、様々な要求に対して、それが正しいのか判断する力を養っていくノウハウが体育系にはあると思っています。
中田:
なるほど!そのとおりですね!そういった内容は実際授業で講義されるのでしょうか。
教授:
概論として講義はありますが、机上の話として受け取られがちです。しかしクラブでは直接実践しているので説得力があります。
中田:
お話を聞いていると、まさにビジネスにリンクしていますね。体育系学生が今回のインタビューを読んだら、自信が付いて、更にステップアップできるのではないかと思います。しかしながら、まだその体育系学生の強みは世間に認知されていないように感じます。体育系学生の強みをもっと引き出して、企業で活躍できるようサポートすることが我々の役目であり使命であると認識できました。
教授:
大学4年間努力した体育系学生が、ビジネスで活躍できるような人材になって活躍できるなんて、こんな嬉しいことはありません。御社のように、大学と企業を結びつけ、かつ強みを引き出す教育もする事業はこれからの時代に絶対に必要だと思います。同窓生として期待しています!

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